今の30代以下の方だとカセットテープ(以下、カセットまたはテープ)を使用したことがないというのも不思議ではなくて、それどころか「見たこともない」という方もいるかもしれません。僕も1999年くらいまではカセットを使った覚えがありますが、それ以降は再生・録音ともミニディスク(MD)やCDばかりでした。
カセットの彼是について、ここで詳しくは書きませんが、30年以上前は録音=カセットのほぼ一択でした(MDは出始めたばかり。DATというマニアックな手段もあった)。再生のほうは80年代中盤前までレコード、以降はCDが主流だったと思いますが、それらを録音するのは、カセットばかりでした。
ラジオ番組もカセットで録りました。番組丸ごと録音ならスイッチひとつでよかったですが、流れる曲だけ録りたいときはリアルタイム待機になります。番組の方も複製防止のためなのか、曲の始まりや終わりにDJのおしゃべりを重ねることがありました。あれはうざかった。クラシックはそういうの少なかったけど曲が長いですからね、リアタイの集中力が持たんのです。
カセットはコンパクトとはいえ「モノ」ですから嵩張ります。本棚のようにラックに入れるのですが、だんだん幅を取ってくると整理や処分に困るのです。どうでもいいやつなら上書きするし、マストアイテムにしたいやつは「爪を折る」。耐久性がてんでダメで、夏、車に放置するもんならフニャフニャわかめになってしまいました。
購入・保管に手間がかかった分、愛用したというか、繰り返し同じものを聴いていました。60分テープで12~14曲程度でしょうか、それをグルグルと。旅行のときなんかは4、5本持っていったな・・・。
今は、カセットどころかCD・MDも使わず、スマホや携帯プレイヤー、パソコンなどに入るデータを読み出すばかりになりました。最近はハイレゾなど高音質のデータが増えてきたので単純比較できませんが、カバンにカセットを詰め込むような物理的荷重はないはずです。
色々圧倒的に便利になってるなと改めて実感しますが、有難みという意味ではどうなんだろう??と立ち止まってしまうこともあります。あんまり書くと老害だしカセット時代に戻りたいなんてこれっぽっちも思いませんが、「あの録り貯めたカセット、どうしたかな・・・」と振り返ることもあります(実家にあったものは全て捨てられたはず。エロ本と同じ扱い)。