2025年 09月 05日
読後感想「動物農場」ジョージ・オーウェル作(金原瑞人・訳)/パイ・インターナショナル
イギリスの作家オーウェルが1945年8月に発表した、ソビエト連邦の体制を動物社会に置き換えた物語です。今でこそ当時のソ連、スターリン主義の怖さを知り得ても、第二次大戦が終わった直後ではソ連が良いか悪いか、完全に予知できた人など僅かだったと思います。
この物語では歪んだ社会主義国家の将来をとことん皮肉っていますが、オーウェル自身は社会主義批判者どころか自身も社会主義を是とする立場だったそうです。余談ですが僕が読んだ高校の社会科参考書のなかに、社会主義国家(たぶんソ連)の「物価の安さ」の例示があり、闇雲に社会主義を批判するのもどうか思うという解説があって、その時は「まあ社会主義もありかも分らんね」ぐらいに感じたのを覚えています(今でこそアホっぽいと思うが)。
ただ、この作品では動物たちが憎き使役者である農場主(人間)を追い払い動物だけの社会を作り理想を掲げたものの、動物間の能力、考え方の違い、権力闘争、独裁、粛清、そして「独裁者に都合のいい理想の修正」と、ソ連に限らず現実の社会主義国家が歩んだ道を、分かりやすい物語として展開していきます。
「動物農場」は様々な翻訳本がありますが、僕が選んだのは金原瑞人さんの翻訳で、美しい挿絵が散りばめられたものです。この絵が悲しいほどに可愛らしいし、金原さんの訳文も分かりやすい、童話でも読むかのような本です。
その他にも開高健、吉田健一といった人たちの訳本もあるし、石ノ森章太郎の漫画もある、アニメもあったなあ・・・あとピンクフロイドのアルバムに動物農場を題材にした、まあここまで脱線するとアンパンマン級に広がってしまうので止めますが、この易しく深い名作をいろんなパターンで触れてみたいという気持ちにはなりました。
そしてオーウェルの代表作で暗黒世界といえば「1984年」。図書館で借りて読まずに返した過去がありますが、今度こそ読んでみようと思います。
by OuiOui1974
| 2025-09-05 17:48
| 本を読んで
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