同時に、僕が縦隔腫瘍の摘出手術を受けてから14年経過しました(手術日は2011年3月10日)。有難いことに普通に生活できています。
東日本大震災は、多くの方が自然災害や原発問題、自分たちのあり方について色々考えを巡らした出来事だったと思います。震災の前と後では、ずいぶん世界の見方が変わったのではないでしょうか。
あと、時々思うのですが、当時日本国内に居住しながら、あの震災に全く気付かず、後の報道で知ったという方はどのぐらいいるのでしょうか。いつもは意識がはっきりしていても、たとえば僕のように手術中で昏睡状態にいた方、そこまでいかなくても単に夜勤明けなどで昼間のあの時間寝ていた方だと一定程度いたはずで、しかも震源地からも海岸部からも離れた地方に在住だった方は、たまたま点けたテレビを見て「!?」となった体験をされたのかもしれませんね。
これ以上話が膨らむわけではないんだけど、人は必ずしもリアルタイム体験をするわけじゃないんだろうなあ、と(実際、阪神大震災のときバイトの先輩(名古屋在住)は後で知ったと言っていました)。
今の中学生くらいまでの子供たちも、東日本大震災を知らない世代ですね。そういう我々だって、地震ではないけど伊勢湾台風を知らない。地震や津波は怖い、台風は怖いと分かっていても、実際に「時を同じくする」体験とは比べようがないのかもしれません。
だからこそ、「語り継ぐこと」の大切さを感じます。三陸の津波の際言われた「命てんでんこ」、あの教えがなかったらもっと犠牲が出ていたかもしれない(逆にもっと広まっていれば・・・という見方もありますが)。
温度を伴わない記録は、時とともに風化します。次世代がどう考えるかは彼らに委ねるしかありませんが、それでも記憶の灯が消えないよう、被災者ではない僕も、「時を同じくした」体験を、いろんな形で伝え残したいと思いました。