経理を中心とした業務に携わって随分経ちますが、その起点(いつから)をどこに定めるかは諸説(?)あります。
間違いないのは2008年(平成20年)5月からで、前職ですが会社の事務で雇ってもらったものです。その前となると2007年6月から12月、税理士事務所での勤務というのがありまして、勤務期間から見てわかる通り「続かなかった」のです。
この話はここで何度かしたようですが、狭いネタも含めて改めて振り返ってみようと思います(退職してから相当時間が経過していますがコンプラに抵触しないよう書きます)。
もともと再就職活動・自己啓発の一環で簿記資格を取得しようと、就職の半年前から準備していました。2007年の3月に日商簿記2級、5月に建設業経理士2級に合格し、事務員として保持すべき資格は揃えました。税理士事務所への採用は4月には決まっていて、事務所都合で6月からの入社ということになり、かなり時間が空いていたので心身を整える行動(読書からウォーキングまで様々)を続けて時を待ちました。
そして6月、事務所に入社しました。一番困った(そして最後まで解決しなかった)のが、「税務・決算とは何をするのか?」を全く理解していなかったことです。
簿記を勉強したのだからそんなわけないだろうと思われるかもしれませんが、そもそも仕訳を作る(帳面に乗せる)ことすらできませんでした。税理士事務所ですから複数の企業の帳票を預かって記帳するのですが、それぞれの会社で勘定科目は違うし処理の順番も異なる、何といっても関与先側の間違いも多いのですが、経理経験のなかった僕は順番も正誤もまったく判断がつかなかったのです。
僕のいた税理士事務所は行政書士業務も兼ねていて、特に建設業の申請(入札参加資格申請や経営事項審査など)を請け負うことが多かったのですが、そちらは理屈が少なくルールに沿って書類作成を整える、ある意味単純な作業だったのであまり困りませんでした。入社して数か月はそっち方面で仕事をさせてもらえたので「なんとなく続けられるかな」と思っていたのですが、申請関係はあくまでも副次的業務であり、メインの仕事はやはり税務会計の、仕訳を入力し帳面を整える作業でした。
簿記に明るい企業さんであれば試算表まで作ってあるし、そうでなくてもある程度の総勘定元帳を提出してもらうのでいいのですが、大体は「現金出納帳、または日次伝票と通帳」を出してくるのです。特に通帳はカタカナで相手先と金額が載っているだけで、何のお金なのかは分からない。昨年の元帳(事務所のパソコンに保存されたデータ)を参照しながら「ああこれは事務所の電気代だな」「飲み屋の支払かぁ」と推測して入れていく。会社でやれば1日15分もかからない仕訳を謎解きしながら記帳するので、たかが仕訳で1か月分を入れるのに2日はかかっていました。細かなことを言えばキリがありませんが、推測ばかりなので事務所側でもまともな帳面など作れるわけがなかったのです。
それでも2か月に1度でも帳面(的なもの)を出してくれる会社はいいほうで、決算申告期になっても帳面が全然でてこない会社もありました。どうやって申告したのか今でも謎です。
まるで関与先(顧客)が悪いかのような書きっぷりですが、当然僕のレベルも酷かったです。試験に受かれば、資格を持っていればなんとかなるなんて、幻想もいいところでした。(続く)