僕の読書は300ページくらいの本を1週間で読むペースです。平日は昼休みに15分、自宅で30分くらいかな。休みの日でも長くて2時間だから、「本に没頭する」タイプではありません。正直ネットとかゲームのほうが面白いと思っています。それでも映画やドラマよりは読書を選ぶかなあ、そのぐらいの熱度です。
今年は概ね60冊近くの本を読みました(現在進行形ふくむ)。これが多いか少ないかは分かりません。100冊くらい読めれば読書家だろうし、毎日1冊読むっていう強者もいるでしょうけれど、さっき書いたとおり他の楽しいこともしたいし、そもそも日中は仕事してるしで、読書の時間を多くとれないし過度に時間をとろうとも思いません。とはいえ習慣としては身についてきたというか、時折「ああ今日はこんだけしか読めんかったわ」と実感するあたり、「読書は嫌いではない」とだけは言えるんじゃないかな。
今年の読書のなかで特徴的だったと思うのは、「夏葉社(関連)の本を多く読んだ」ということです。この版元の出版物であったり、社長である島田潤一郎さんの著作だったり。僕が読んだのはエッセイ、随筆が多かったかもしれません。
夏葉社の本は、とても柔らかいです。内容だけでなく、装丁も。昭和時代にはよくあった、布地のカバー。すべての出版物が布地ではないけど、それでも手に持った感触が、どれもふんわりとしている。いっぽう島田さんの著作、こちらは新潮文庫だったりみすず書房だったりでそれぞれの装丁ではあるけれど、自分の作りたい本を出す思いが、熱を秘めながらもやはり柔らかく綴られていました。
夏葉社の既刊本で、上林暁の短編集「星を撒いた街」というのがあります。私小説であるほかはどんな話が載っているのか分かりませんが、「ぜひ手元に持ってみたい装丁」。在庫のある今のうちに手に入れようと思います。
夏葉社の本を読んだり「テスカトリポカ」で臓器売買&バイオレンスに慄いたり「新左翼・過激派全書」でヘルメットに興奮したりと、手に本の手触り、重みを(物理的にも)感じる、そんな思いをした今年の「本との出会い」、でした。