「テスカトリポカ」(角川書店)を読んでいます。佐藤究さんの小説。
基本、分厚い(ページ数の多い)本は敬遠しがちなのですが、これとは別に読んでいる漫画の主人公が「面白い」と発しているところから気になっていて、先週図書館で借りました。
麻薬・臓器売買を取り扱っていて、グロテスクな描写が非常に多いです。映画でそういうのは絶対無理なのに、なぜか小説だとむしろ好奇心がぶっちぎってしまって読み進めています。まだラストまで辿り着いていなくて、もともと遅読気味なのもあってザっと読めないのですが、「急峻な山を登る感覚」なのかな、高揚感はけっこうあります。
タイトルがいまだに覚えられない・・・テカストポリカ?テスカポリトカ?ミニスカポリス?どうだ初老ギャグ。
冒頭に書いた通り、この本との出会いはマンガです。「税金で買った本」(講談社)。
主人公、ヤンキーの石平君が生徒指導室で先生に「授業中に本を読むな!だいたい何だあの分厚い本は!?」と問い詰められ「テスカトリポカっすね、あれ面白いっすよ」と返すシーンが、とても小気味よかったんです。
小説、マンガを問わず読書好きの人物が出てくるととても気になります。今思いつくのでは「前科者」のみどり、「マリアビートル」の蜜柑がお気に入りです(なんのことか分からんかったら申し訳ありません)。「税金で~」でも菊池寛の「恩讐の彼方に」を語る石平君を見て「あっ僕も読まないとこいつに負ける」と不毛な対抗心を燃やすのです。テスカトリポカも然り。
そびえたつ本の山から自分で選ぶのはやはり困難で、書評や本屋のポップを頼りにするほうですが、本の登場人物から教えてもらうというアプローチは、僕にとってはいちばんの本との出会いになっているかもしれません。