母の「なにか」

　先週末、「介護施設に入っている母の状態が思わしくない」と父から連絡がありました。

　夏前から食欲が落ちているとは聞いていましたが、ここ最近はヨーグルトなど飲み込みやすいものも摂らなくなった、部屋も来訪日時の制限が少ないところに移された、まだ意識はあるから今のうちに来れないか、とのことでした。

　母とは2019年の年末から会っていません。コロナ禍になってからは施設にも行けませんでした。顔を合わせずに4年が経過しようとしています。

　母に会っていないこと、その時が近づいていることに、実感がありません。親子ならふつう色んな感情や思いが湧いてくるだろうに・・・「なんとも言えない」というのが本音。こうやって書き連ねているのですから何にも思わないわけはないんですが。顔を合わせれば、どうかなっちゃうのかな。

　

　少し前、父から「母の写真が手元にあったら貸してほしい」と言われ探してみたところ、僕らの結婚披露宴の時に撮られた写真くらいしか残っていませんでした。その時は何とも思わなかったのですが、もともと僕が子供の頃の母の写真もありません（実家にはあるかも・・・と思いましたが父はなんでも捨てるので怪しい）。実際親子一緒に写真を撮る習慣がなかったのか、絶対数が少ないのかもしれません。

　覚えているのが、保育園の運動会で母と僕がフォークダンスを踊っていた姿、その写真がどこかにあるはずです。それこそ結婚披露宴のスライドで流した覚えがあるので、僕が持っているかも・・・とは思うんですが、まだ探していません。スライド分としてまとめていないかもしれないので、見つけるのはちょっと大変かも。

　写真以外には母の「なにか」は持っていません。1通、きったない字（しかも鉛筆）で弱弱しく書かれた手紙が（これまたどこかに）残っているかも。実家から離れて30年近く経ちますが、母からの「なにか」を手元に持っていた方がいいのな、と思えてきました、今更ながら。

　

　とりあえず、明日、4年ぶりに再会してきます。僕のこと分かるんかな・・・？