2023年 04月 13日
読後感想「ドキュメントしくじり世代」日野百草・著(第三書館)
団塊ジュニア世代(定義は様々ですが概ね1970年代前半生まれ、僕もこの世代)についての本を読みました。「しくじり世代」なんだそうです。こんな言葉に当てはめやがって・・・と思いましたが、当たっている部分も多かったです。
まず、人数が多い。従って受験にしろ就職にしろ競争が激しくなる。そしていい学校・いい会社に入れば安泰かというと社会がそうはさせず、90年代以降のバブル崩壊・就職氷河期と重なるわけです。社会に出て数年経った20代半ばにインターネット・携帯電話が普及して仕事の在り方が急変、30代半ばのそろそろ中堅か?と思われる2009年以降にリーマンショック。現在はジュニア世代よりもさらに人数の多い団塊世代が高齢化して介護問題が発生・・・など。ろくな世代ではないですね(ちなみに団塊ジュニア世代の子は今を時めく「Z世代」)。
「しくじり世代」によると、どうやら私達ほど「大学で人を見る」世代は他にないそうです。今の学生さんたちだってそうじゃないの?と思うんですが、確かに私達の時代は個人よりも「トーダイの○○君」「アオガクの○○ちゃん」みたいな、大学という看板を見定める連中が多かったです。そんなこと言う僕も週刊朝日の「間違いだらけの大学選び」(栗本慎一郎氏の連載)を喜んで読んでたし。大学全入時代間近と言われる現在と違い、「えっあんな大学でも偏差値60あるの!?」と言われるくらい、我々の世代の大学受験倍率は高かったのです。そんなんだから学歴くらいしか誇れるものはなかったんだな・・・。
競争から外れて、ロクな仕事にありつけず非正規雇用・ニートにならざるを得なかった人の割合も、団塊ジュニアは多いそうです。結婚もせず貯金も消費も先細り。「人数多いからまた景気上向きになるわ」などと楽観視されてたのはなんだったのか。同時に期待されていた第3次ベビーブームは起きませんでした。
僕はというと、「団塊ジュニア」「しくじり世代」の特徴に、かなり当てはまっています。なんといっても転職の多さ。あんまり書くとアレだけど今こうやって生きてるのが不思議だねと思うこともあります。今、ものすごく底辺な暮らし向きだとは思っていません(むしろよくもまあ社会の中で収まってるわと自画自賛したくなる)が、子供の頃思い描いていた夢とはほど遠い、というか。サラリーマンにだけはならないぞと思ってたのに、一時はサラリーマンすらなれなかったのです。
いろいろ書きましたが、僕自身、団塊ジュニア世代に生まれたことを恨みがましく思うことはありません。他の世代と比べてハンディは多かったかもしれないけれど、団塊や1960年代生まれだろうとゆとり世代やZ世代に生まれようと、その時代に生きる以上必ず困難は伴うはずです。時代というか、他人のせいにするとそこで終わりです。
今は若い頃できなかったこと、別に小難しいもんでもないのですが、色々チャレンジできたらと思います。模型も20代までまともに完成できたことはありませんでしたし、本を楽しむ意味での読書もお座成りでした。スポーツなんてふざけんなって感じだったけど、成り行きで何故かソフトボールだけはやっている。そういう小さなチャレンジで、今までの負の部分を少しでも穴埋め出来たら、いいなあ。
by OuiOui1974
| 2023-04-13 18:45
| 本を読んで
|
Comments(0)