2011年(平成23年)末に転職して、同じ業種ながら今までとは段違いの仕事量を抱えることになりました。給料は微妙に上がりましたが休みは30日程度減ったので、実質的な賃金は低くなりました。そんなところからのスタート。
敢えて生活環境のハードルを上げてまで転職し仕事し続けられるか?という疑問は、多少なりともありました。そのうち心折れるんじゃないか、と思いながら1日1日を精一杯使っていました。
そんな折、会社の部長から「近くに日帰り温泉があるから行くといい」と紹介されました。それまで日帰り温泉に行くのはほんのわずか。存在を知らなかった、場所が遠い、そもそも無かった、などの理由もありました。いっぽう飯田近郊には公共・民間の温泉が多くあります。その中でも紹介された温泉は車で5分、確かに近い。直近の日曜日に行ってみました。
そこは日帰り温泉というより銭湯、という響きが相応しいくらいの小さな施設です。それでも露天、サウナ、電気風呂、ジャグジー、寝転び湯など様々あります。
中でもはまったのがサウナでした。当時38歳。サウナの良さが今一つ分からなかったのに、この温泉でサウナと水風呂の往復を繰り返しているうちに「なんだこれ、すげえいいじゃん・・・」となっていくのです。オジサンの仲間入りを果たしました。
何がいいって、サウナに入ってると「熱い」以外のことを考えなくなり、水風呂に入ると「冷たい」しか考えなくなって、それから休憩すると何にも考えなくなる、というところ・・・まどろっこしいですが、邪念というかそういったものが消えてスッキリするんです。長続きはしませんが、一時でもスッキリできることで、気持ちが落ち着くのは、間違いないことでした。
それが高じて、年に数回、わざわざ名古屋まで出てカプセルサウナに宿泊して、ひたすらサウナに入りまくるということまでするようになりました。名古屋や近郊に住んでいた時は見向きもしなかったのに、我ながら変わったものだなあと思いました。ロウリュ・アウフグースと呼ばれる熱いサウナを体験したのもここから。フラフラになって外気浴で空を見上げるときの多幸感は、他に形容しがたいものがありました。
頻繁にカプセルサウナに行くわけにもいかず、結局は自宅周辺の日帰り温泉でのサウナ利用がほとんどでしたが、これによって何度も不安定な気持ちを正すことができました。ほんのわずかな時間でも「忘れる」ことをができればそれで充分。仕事の失敗で腐りそうでも、週をまたげばなんとか続けられる、それは日帰り温泉でありサウナの恩恵が大きかったのです(もちろん周囲の配慮も十分にあったとは思うけど。あとゴリラみたいなツマ)。
あれから10年、コロナ禍になってからカプセルサウナは一度も行けていません(もう3年近く経つ)。近所の温泉は年初に1度行きましたが、しばらくは自粛です。昨年傘サウナなるものを買って週1くらい、自宅の風呂で使っています。ああ、やっぱりドライサウナがいいな・・・(できれば誰かに熱波を送ってほしいな)と考えつつも、傘の中で熱さに耐える48歳のジジイがいるわけです。
※飲酒後のサウナ・長風呂は絶対やってはいけません。本当に倒れるし命を縮める。
温泉もカプセルサウナの写真もないので、代わりにカプセルサウナで注文した夕食を。ウェルビー今池店の桶盛り膳(もう無いと思うけど)。