この本の中でも相当奇怪だと思われる「おもちゃのコンピューターのための15の音」というプログラムを紹介します。
気が狂ったかのような展開ですが、入力エラーの排除は確認しているのでプログラムミスでもパソコンの不具合でもありません。
無限ループのプログラムを10分だけUP。適当に飛ばしてご覧ください。
そして、このプログラムの解説が暗号になっていて、次のページにある暗号解読プログラムを使用しないと読めません。当時はその解読プログラムを入力しなかったので、内容は分からずじまいでした。
今回は時間も経っているということで堂々とネタバレします。12歳でこの本を手に入れた僕が47歳になってようやく解読できた。
【実は、このプログラムにはネタがあるんですよねー。20世紀初頭に活躍したマルセル・デュシャンというアーティストが作った「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」という作品がそれなんです。このデュシャン先生は、いきなり便器を展示して「これは芸術だ」と言ってみたり、それまであった芸術を見事にひっくり返してくれた偉い先生なんです。】
※暗号を解読してもローマ字に変換される程度なので、所々推察も入っています。
ここまで読んで、プログラムとデュシャンの作品、両方みると確かにそれっぽく見える(そしてどちらも意味不明)。
フランスの芸術家デュシャンは文中にある「彼女の~」、通称「大ガラス」を8年間制作したあげく、未完のまま放棄。元ネタもひどかったんだね・・・もうパソコンがどうとかいう次元ではない気がしてきました。よくもまあ、こんな馬鹿馬鹿しい前衛的なプログラムを掲載したものです。
「プログラムDJ」を執筆された青年達も現在は還暦近くになって孫とかいるのかもしれません。なんでもそうですが、80年代、まぶしいくらいにポップカルチャーを彩っていた少年少女も例外なく年を重ねているわけで、こういうところに隔世の感すら覚えることがあるのです。
※なお、文中の暗号解読プログラムの名前は「不思議の国のアリス」。BGMはドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」でした。