我が家にパソコンが来たのは1985年(昭和60年)の正月。パソコンと言ってもナショナルのMSXでした。PC88でもFM77でもX1でもない・・・意味が分からんと言う方はごめんなさい。とにかく安い家庭用パソコンだったのです。
MSXにはファミコンのようなカセットを入れるスロットがあって、そこにゲームなどを差し込んで遊ぶのがメイン。もう一つ、キーボードでプログラムを入力し、それで(今でいう)アプリを動かして楽しむ、ということをしていました。
MSXと今のパソコンとの違いは・・・
・家庭用のテレビとケーブルで繋いで使用する(ゲーム機と同じ)
・ハードディスクなどなく、電源を落とすと記録が消えるので、カセットテープかフロッピーディスクを読み込む機械で記録する
・日本語出入力を前提としていない。操作もコマンド(言語)入力で行う
・映像制限あり(15色 同時発色も難しい)。写真なんて無理だ
・音楽は3重和音まで。おもちゃみたいな音しか出ない。これもコマンド入力で音を鳴らす
・マウスを使用しない(販売はしていたが一般的ではない)。すべてキーボード操作
・うちのパソコン(CF-2700)の場合、メモリが32KB。現在使っているPC(8GB)の0.0004%しかない
・言うまでもなくネット接続なんてない(パソコン通信は極めて限定的に使用されていた)
などなど。何が面白いんだそんなパソコン使ってて、と思われるかもしれませんが、低機能だからこそ想像の翼がひろがるわけです。実際楽しかったですよ、いろんなことにチャレンジ出来て。
パソコンを買って半年ぐらいたって、父がデータレコーダ(カセットテープの記録装置)を買ってくれました。それまで、BASICと言われるプログラムを父が入力してくれていましたが、電源を切るたび消えてしまうのにしびれを切らしたのでしょう。決して安くないデータレコーダでしたが、おかげでプログラムを消さなくてもよくなりました。ただしカセットテープなので耐久性が低く、重ねての記録には限界がありました。
カセットテープの記録装置なら「ラジカセでいいんじゃないの」と思われるかもしれませんが、音楽用のラジカセは全く不向きで、データを記録してくれませんでした。さらにカセットテープも音楽用は基本使用不可。日立のMSXは音楽も聴けるデータレコーダを内蔵していたようですがどういう仕組みだったのかな。
このMSXは僕が中学3年になる1988年(昭和63年)まで使用しました。その間、プログラム入力を楽しんだのですが、その内容についてはまた改めて紹介したいと思います。
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