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朝鮮大学校物語

朝鮮大学校物語

ヤン ヨンヒ/KADOKAWA

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 映画監督である著者が実際に在籍していた朝鮮大学校を舞台にした小説です。時代は1980年代の中盤。
 物語には出てきませんが、当時ニュースでは北朝鮮のことを「北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の金日成主席は・・・」とわざわざ言い直していました。日本が国家承認していないのにこの待遇は?と思いますが、末期とはいえ冷戦のさなか、国内も革新勢力(いわゆる左翼)がある程度発言力を残していた時代でもありました。


 同じころ、僕の町内にも朝鮮系・韓国系の住民は住んでいて、同じ世代の子供たちもいました。そのうち多くは僕らと同じ小中学校に通っていましたが、わずかながら、朝鮮学校に通う子もいました。確か3人きょうだいで、そのうち1人が僕より年下。乱暴者で避けていました。小学校までは一緒だったかもしれませんが、いつからか、朝鮮学校に通っていました。お姉さんたちは最初からチマチョゴリを着て、学校のスクールバスで通学していました。
 その家族の家には朝鮮舞踊のポスターが貼られていました。時々そこに住む爺さんが「よお!」と手を挙げながら笑顔を振りまいてくれました。僕は食べなかったけどキムチをもらったことがあるらしい。
 今はみんな住んでいるのか分かりません。確か家はそのまま残っていたような。

 1990年手前、進学した高校で、別の地域の同級生が「チョン校の生徒は怖い」「目にアロンアルファ入れられた奴がいる」と言っていました。どこの朝鮮学校のことかは聞いていませんし、さすがにアロンアルファは嘘だろうと思いますが、近所の子と同じ粗暴なイメージは残りました。
 いっぽう、1990年後半、名古屋に移ってからJR線で見かけた朝鮮学校の女の子たちは、チマチョゴリ以外は「ありふれた」今どきの子、という雰囲気でした。
 そういえば、住んでいたアパートの近くにも朝鮮学校はありました。校舎のある方向から声が聞こえる以外は生徒たちとすれ違った記憶はありませんが、学校近くを通った際に文化祭のポスターを見かけました。向こうの料理がもてなされるとか書いてあって、どんなんかなあ、行ってみたいなあと思っていました。2000年に入ったばかりの、南北融和モード、日韓W杯前のゆるい頃。

 朝鮮大学校に進んだ子というのは周囲では全く聞いていなかったので、そもそもこの学校のことを知ったのは大人になってからでした。インターネットのホームページで見る限り、これまた普通の学校、学生生活だなあと。「100日間運動の記録」というのが丁寧に紹介されていて、大学というよりは高校みたいなノリにみえました。そんなページを見ていたのも10年以上前のことです。


 朝鮮学校、朝鮮大学校に対して、国内でその存在を含めた批判が強い状態が続いています。僕も「なぜ日本を脅かしている朝鮮の人が日本で生活するのを黙認するのか」「地上の楽園と呼ぶ彼らの祖国に戻るべき」だと思います。また、それは子供たちの教育環境においても例外ではない、と。
 ただ、一方で彼ら在日朝鮮人の生活(それは朝鮮総連など体制のことも含みますが)をどれだけ知っているのだろうという思いもあります。批判も、同情も、彼らのことを知ってからなのでは、と。
 「ここは日本ではありません」この本の帯には、文中の一節が大きく書かれています。紹介されている朝鮮大学校の生活、もし物語に書かれていることが実態と同じだったのであれば、前述した「普通の学生生活」とはかけ離れた異常さです。北朝鮮の思想信条を徹底的に仕込むのを、なぜ日本の武蔵野郊外に場所を置いてやっているのか、不可解さは拭えませんが、今なお現実として存在していることを、能々頭に刻んでおこうと思います。


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by OuiOui1974 | 2020-07-22 20:11 | 本を読んで | Comments(0)
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