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竹富島での民宿の思い出

 今までいろんなタイプの宿泊先を利用してきました。
 一番すごいので(伊勢志摩の)会員制リゾートホテル、部屋がいくつもあるやつ。残念ながらフルーツの盛り合わせはありませんでしたが、それ以外はいわゆるスイートルームと呼んで差し支えないレベル。以前の職場の福利厚生で利用しました。そんなに楽しかったとは思っていないですが・・・。
 最近(というかもう6、7年ですが)は、もっぱら名古屋で泊まってカプセルサウナがお気に入りです。カプセルホテルは、区分としては「簡易宿泊所」、ドヤみたいなもんです。タタミ1畳サイズのスペースに寝るだけ。狭所が苦手な人には絶対無理だと思います。あれはサウナをとことん楽しむための施設だと割り切らないといけません。ただ部屋以外は充実していてコスパは非常にいいと思います。
 これから長く書くのは、そのどちらでもなく、僕が唯一利用した、「民宿」の話です。


2003年2月12日

 かなり前になりますが、2003年(平成15年)の2月に、八重山諸島の竹富島で2泊過ごしたことがあります。今はリゾートホテルも進出していますが、そのころはほとんどが民宿。僕もその一つにお世話になりました。
 世の中の民宿がどんな感じか分かりませんが、その宿はかなり古くて、それこそ寝床も薄くせまく(せんべい布団だったし)、確か風呂ではなくシャワーだったと思いますが共同(もちろんトイレも)、そういえば食事も朝昼、他の宿泊される方と一緒に食べていました。まるで合宿。

 一人旅で民宿って割と度胸がいるような気がしますが、竹富島には一人旅の人も多くいました。うちの民宿も僕のほか男性が2人くらい、それぞれ1人旅だったな。いわゆる「都会の喧騒から離れて静かに過ごしたい」という感じでしょうか。

2003年2月12日

 八重山の民宿では「ゆんたく」といって、夕食後などに縁側や共同スペースあたりでおしゃべりをすることが多く、場合によっては宿の人や旅慣れた方が三線を引いて歌ったりもするそうです。それを楽しみにする人もいれば、そんなもん面倒くさいわとずっと部屋にいる人もいてそれぞれ。他の民宿のレビューでも「ゆんたくは常連が仕切っていて鬱陶しかった」なんて書かれたりしてました。
 僕が泊まったときも縁側で「ゆんたく」はありました。でも「ゆんたく」のことを知ってたわけじゃなく、「飯食ったらやることなくなった」「2月の夜でも暖かいのでなんとなくダラダラ」「気が付いたら何人かが集まってた」というような感じでした。誰彼買ってきた乾きモノと泡盛をいただきながらグダグダ話すんです。三線で歌うとかは無し。その時は、僕と、ずっと旅してる夫婦、一人旅の男性、宿のお手伝いの女性の5人いたかな。宿泊者全員じゃなかったです。島のことだったり全く関係のないことだったり、とりとめのない話ばかりでしたが、俺が!私が!みたいな人はおらずみんな穏やかで、「ゆんたく」自体はいい思い出が残るだけです。

 朝晩の食事も、みんなでいただくのには気兼ねしませんでした。宿はボロでしたが食事は十分でたくさん食べました。僕は朝からオリオンビール飲んでいて「好きだねえ」と言われたのを覚えています。旅夫婦の男性が「(食堂にある)テレビ見ていいですか?」と尋ねて「民放は2局しか映らないよ」と言われて、それでもどうやら見たい番組は見るとこができたらしく、夜も部屋を暗くして小さな音で見ていたようです。
 個別の部屋にも鍵らしいものは無いし、縁側を含めて入口もオープンで、いろいろ不安になるのは事実です。親戚の爺さん婆さんの家に泊まっていくかのような感覚が持てるかどうか。僕はその辺あまり考えなかったな・・・15年以上も前ですが、今はどうしているのか、少し気にはなります。

2003年2月12日

2003年2月14日

 まあ、とにかくオープンなもんだから、飼っているのか分からない猫も近寄って懐いてくるし、どこの家かもわからないニワトリ親子も庭に入ってきたりしていろいろ不思議な感じです。

 民宿は、1泊だとその良さも分からず、ただ窮屈だったという感想しか残らないでしょうし、逆に2週間も滞在すると客扱いされないだろうし金もかかるしで適当ではないかもしれません(長期ならドミトリーみたいなのがいいのかな)。明らかに「人を選ぶ」手段で、はまるかまったく合わないか、だと思います。
 最近は外国人観光客も増えているようですし、先述のとおり資本の入ったリゾートホテルもできたりと、竹富島もずいぶん変わったのではないでしょうか。元々の暮らしの中にひっそり入って泊まる、というよりもテーマパークのようになっていないだろうか、もしそうならちょっと残念かなって思います。旅する人の考え方ひとつですが。


 僕がこれからの人生で民宿を利用する可能性は低いと思います。年食ったらあんなもん落ち着かんよ、と。でもそれは宿泊の楽しみの選択肢を減らしてしまっていることでもあります。カプセルが平気で民宿はダメってのも、おかしなものかもしれません。なんか面白そうな宿があれば、少しは考えてみようかな。

2003年2月14日

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by OuiOui1974 | 2019-05-18 18:33 | 旅のしるし | Comments(0)

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